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岩倉 パチンコ レドモンド発――Microsoftの研究部門上級副社長リック・ラシッド氏は9月26日、Microsoft Researchが存在している理由は、同社が15年後も変わらずビジネスを続けていられるようにするためだと語った。

 ラシッド氏は、レドモンドの施設内にあるMicrosoft Researchの15周年記念イベントに出席し、「Microsoftが、われわれが安定した研究環境を築くことを可能にした現在の活気に満ちた状態を、15年後も同様に維持できるようにと願っている。これからの15年間でそうした目標を達成できれば、そのあとの成長の可能性は無限に大きくなるだろう。わたしは今でも、日々の研究成果に毎朝驚きを感じている」と述べた。

 Microsoftの会長であるビル・ゲイツ氏は同イベントには直接参加しなかったものの、ビデオによるプレゼンテーションを行った。同氏いわく、Microsoft Researchは過去15年間にわたり、コンピューティング分野最大の難問の数々に挑んでは革新的な技術を開発して、世界中の何百万という人々に恩恵をもたらしてきた。

 「Microsoftの研究者たちが成し遂げた偉業を誇りに思っている。これからもMicrosoft Researchは、未来のテクノロジーを開拓する中心的な役割を担っていくだろうと確信している」(ゲイツ氏)

 今日のMicrosoft Researchは、5カ所の国際的な研究所に700名の研究者を抱える規模にまで成長している。ラシッド氏によれば、研究者は調査結果や新たな発見を分かち合っており、これまでに55分野3700本以上の研究論文を発表したという。

 最も誇りに思う研究成果は何かと尋ねたところ、ラシッド氏は、1992年に着手した32ビットコードの動作を最適化する技術を挙げた。同技術の研究チームは、こうした最適化の新たな手法を考案し、コードの実行時に占有されるメモリを小さく抑えることに成功した。

 「当時の製品開発チームはこの技術にまったく関心を示さず、自分たちとは関わりのない問題だと切り捨てた。だがその3年後、WindowsおよびOfficeのリリースに際して、彼らは同技術の重要性を認識することになる。コンピュータのメモリサイズを思ったように大きくできず、メモリを節約する必要に迫られたからだ」(ラシッド氏)

 このときから、研究チームと製品開発チームの間に強固な信頼関係が生まれたのも特筆すべき出来事で、両者の協力体制は今日に至るまで続いていると、ラシッド氏は述べている。

 新OS「Windows Vista」に実装される予定の最新の研究成果としては、同氏はソフトウェア保証ツールを例に挙げた。このツールでは、プログラムの特定のプロパティを把握し、認証して、テストすることができる。

 ラシッド氏は、「Windows Vistaには、Static Driver Verifierと呼ばれるツールを搭載することができた。同ツールは、数学的に定義されたプロパティを精査して、大量のコードに品質上の問題がないかどうかを確かめるものだ」と話した。さらにVistaは、マイクロフォンアレイシステムにも最初から対応しており、ノイズの少ない、高い音声品質を実現できているという。

 一部の技術を外部にライセンス供与するというMicrosoftの決定に関して、ラシッド氏は、リアルタイムトラフィックデータの分析技術からそうした分析に基づいて予測を行うツールや、独自の「Wallop」ソーシャルネットワーキングソフトウェアまで、同社は多数の技術を提供してきたと指摘した。

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